研究課題/領域番号 |
16K13924
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉田 弘幸 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (00283664)
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研究協力者 |
薄井 亮太
柴田 幸輝
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 表面プラズモン共鳴 / 逆光電子分光 / ナノ粒子 / 有機半導体 |
研究成果の概要 |
物質の電子的、光学的、化学的物性を決定するのは、フェルミ準位付近の占有準位(価電子帯)と空準位(伝導帯)である。このうち、空準位を直接的に観測できる有力な実験方法は逆光電子分光法である。しかし、逆光電子分光の信号強度は極めて弱い。本研究では、金属の表面プラズモン共鳴による逆光電子分光信号強度の増強を試みた。代表者が開発した低エネルギー逆光電子分光法と銀ナノ粒子の表面プラズモン共鳴を組み合わせることで、有機半導体からの信号強度を最大で5倍まで増強することに初めて成功した。さらに銀ナノ粒子の粒子径や形状を制御して増強機構の解明、アルミニウムのプラズモンを用いて高エネルギーでの増強を試みている。
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自由記述の分野 |
物理化学、物性科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
逆光電子分光は原理的に物質の空準位(伝導帯)を調べる優れた方法であるが、信号強度が極めて弱いという根本的な課題があった。本研究では、表面プラズモン共鳴を用いることで、逆光電子分光の信号強度の増強に初めて成功した。 信号強度の増強が可能になると、逆光電子分光法の応用範囲が飛躍的に高まる。たとえば、測定時間が短縮されることで、電子線照射に対して不安定な生体関連物質や有機材料の測定が可能になる。また、時間分解測定により、化学反応や劣化過程の追跡が可能になる。一方で、より少ない測定試料での測定が可能になることから、空間分解能が現在の数ミリメートルから数10マイクロメートルに改良できるであろう。
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