本研究は位相安定化レーザーやマイクロ波によって誘起されたキラル分子からのマイクロ波輻射を位相敏感検出する分光法の開発として、以下の研究をおこなった。 1)2色の単一モードcw-IRレーザーを光源とする誘導ラマン過程を用い、CH4分子の振動回転準位の共鳴信号の検出に成功した。2)位相敏感MW検出部としては150 GHz帯のSISミキサーを導入し、位相検出能力を確認・評価した。3)Chirped FTMW分光装置を用いてキラル分子であるS2Cl2分子のミリ波帯での発光分光をおこない、分子定数を決定した。4)またS2Cl2分子のFID測定によって、オルト-パラ遷移を世界で初めて観測することに成功した。
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