イオン液体は、材料科学・環境科学など種々の分野で電池電解液・CO2吸収液として応用が期待されている。だが、イオン液体の物性を、その合成に先立ち予測するには、第一原理分子動力学計算が不可欠であり、その計算コスト故、従来、イオン液体の溶液物性を実験に先立ち予測することは困難であった。本研究では、この背景下、第一原理のレベルでありながら、古典分子動力学シミュレーションに準ずる計算コストで、イオン液体の溶液物性を予測可能な、第一原理有効フラグメントポテンシャル分子シミュレーション法の確立に挑戦した。研究の結果、当該手法を用いると、イオン液体及び、より一般的に混合溶液の物性が予測可能なことが分かった。
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