研究成果の概要 |
含フッ素有機化合物は、近年になって医農薬としての利用例が増加しており、その効率的な合成法が求められている。本研究課題では、含フッ素化合物の高効率合成を実現するため、活性種として遷移金属ジフルオロカルベン錯体に着目し、その調製法と触媒的な利用法を開発した。ニッケル(II)および銅(I)錯体からそれぞれ対応するジフルオロカルベン錯体を調製することができ、シリルジエノールエーテルとの反応によりα,α-およびβ,β-ジフルオロシクロペンタノン両異性体を作り分けることに成功した。得られた骨格は生理活性化合物にしばしば含まれるものであり、本手法は医農薬の開発につながる。
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