本研究では、アルモールを始めとした含アルミニウム共役電子系化合物の創製と、小分子活性化に基づく物質変換反応への応用を検討した。アルモールを配位子とした遷移金属錯体の開発においては、アルモール-鉄錯体の合成に成功し、その構造を明らかにすることができた。また、アルモールと種々の小分子との反応を検討したが、アルキンやニトリルなどの一部の分子については反応の進行を確認したものの、水素や一酸化炭素といった無機小分子との反応の進行は認められなかった。さらに、アルミニウムとリンを含む共役電子系化合物としてAl=P二重結合化合物であるホスファアルメンの合成についても検討を行い、その前駆体を得ることに成功した。
|