メタン、常温・常圧、分子状酸素による酸化法は最も困難な反応の一つと言われており、未だ達成されていなかった。本研究では、二酸化塩素、メタンと酸素を含む溶液に常温・常圧下で光照射を行うとメタノールとギ酸が合計99%の収率で得られた。メタンの代わりにエタンを用いた場合では、エタノールと酢酸が得られた。同位体ラベル実験により分子状酸素が酸素源になっていることを明らかにした。反応は二酸化塩素を光励起して生じる塩素ラジカルがメタンから水素を引き抜くことによって開始されラジカル連鎖プロセスを経由していることが分かった。
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