低分子系有機伝導体による熱電デバイス開発ための指導原理の探索を行った。フィリング可変のβ’系有機伝導体の熱電特性について調べ、アニオンの化学圧力効果により伝導度が変化しパワーファクターも変化することを明らかにした。電荷移動錯体の熱電性能のドーピングレベル依存性は伝導性高分子と異なりキャリア数だけを考えたモデルとは異なったものになる。(BTBT)2PF6や(TMTSF)2PF6をp型材料とし、Cu(DMDCNQI)2や(TTMTTP)(I3)5/3をn型材料とした単結晶による熱電素子を作製してその性能を評価した。出力特性は二端子素子としてコンタクト抵抗まで含めた熱電素子全体の抵抗に依存した。
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