近年、グラフ理論によって「強等方性」という概念が提唱され、K4格子、ダイヤモンド格子、ハニカム格子の3種のみがこの性質をもつことが結論された。本研究では、立体π共役分子を用いて分子性K4ならびにハニカム格子をつくり、その物性開拓を行った。その結果、[TBA]3[(-)-NDI-Δ]2 は3次元K4構造に結晶化し、その中で局在した不対電子がハイパーカゴメ格子を形成することを見出した。極低温物性測定を通じて、スピン・リキッド基底状態を結論した。その他、Rb3[p-TT]結晶中で分子性2次元ハニカム格子を見出し、これがグラフェンと同様なバンド構造を有すること示した。
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