研究課題
3-bromopenta-2,4-dienyl acetate/benzoate/phosphateを基質として、パラジウム触媒存在下で二当量のソフトな求核剤と反応させると、二重求核置換反応が進行し、C2対称軸不斉アレンが高収率で得られる。ここで、acetate/benzoate基質とphosphate基質では二段階の求核置換反応が進行する順序が異なり、前者では同一の求核剤由来の置換基しか導入できないが、後者では逐次反応により二つの異なる置換基を導入することが可能である。この基質に、マロン酸エステル部位を両末端に有するアルカン/フェニレンなどの二官能性求核剤をパラジウム触媒下で作用させると、主鎖にアレン骨格を有するオリゴマー/ポリマーが生じる。生成物の重合度は、パラジウム触媒に用いるホスフィン配位子により影響を受け、現在までの検討においてはdppbを用いた場合に一番高い重合度である約9という値が得られている。この重合反応のホスフィン配位子としてbinapを用いると、不斉重合が進行し光学活性ポリマー/オリゴマーが得られることになる。この不斉重合における立体選択性を測定するために、二つのマロン酸エステル部位の架橋部位いシロキサン構造を組み込んだ。この求核剤を用いて得られるアレン・ポリマー/オリゴマーを、フッ化水素酸で処理すると、シロキサン部位が定量的に切断され、単量体軸不斉アレンを取り出すことができる。こうして単離された単量体アレンの光学純度をキラルHPLCにより測定することにより、不斉重合における立体選択性を求めることができる。現在までに得られている条件では、最高で60%ee弱の立体選択性を示す。
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