蒸留酒の熟成過程では常圧・常温・空気雰囲気下でアセトアルデヒドの濃度が上昇することが知られている。この熟成過程で観察されるエタノール酸化メカニズムを解明すれば、香味を制御した機能性飲料の開発だけでなく、研究室から工業スケールまでに適応した環境調和型酸化反応の開発に貢献できる。40%EtOH水溶液中、銅触媒、添加剤として樽材に含有されるリグニンの熱分解物であるカテコール誘導体を加えると、アセトアルデヒドが得られた。蒸留酒中ではフェントン型酸化反応によってエタノールが酸化されていると示唆された。本反応系は新たな環境調和型酸化反応として、一般的なアルコール酸化反応への応用が期待される。
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