研究実績の概要 |
前年度に引き続き、ウラシル誘導体(AU)とアクリルアミド(AAm)の共重合体について検討を進めた。まず、合成条件を最適化し、高温にて完全に溶解するAU-AAm共重合体を得ることに成功した。共重合体の濃度や共存するイオンの種類を変えながら応答の変化を観察し、さらに環境応答性蛍光団であるベンゾフラザンを組み込んだAU-AAm共重合体の蛍光特性変化から、相転移前後における高分子鎖近傍の微環境変化を解析した。第67回高分子討論会(札幌)によって本成果を発表するとともに、新規な感温性高分子としてAU-AAm共重合体を特許出願した。 また、昨年度までに明らかになったAAm-アクリロニトリル(AN)共重合体の機能メカニズムに関する知見を基に、AAmユニットを、より毒性の少ないと考えられるN,N-ジメチルアクリルアミドユニットで置き換えた共重合体を合成し、その感熱応答性を確認した。 昨年度までに得られたAAm-AN共重合体の研究成果を原著論文としてまとめ、現在、投稿前の最終確認を行っているほか、この内容をMacro 2018(ケアンズ), ACS National Meeting & Exposition(ボストン), SPSJ International Polymer Conference(広島), Glowing Polymer Symposium in Kanto(東京)の4つの国際学会で発表した。
|