近年、高分子材料の作製に当たり、従来の化学架橋を駆使した材料設計ではなく、可逆的な非共有結合や可動性の架橋点を利用した材料設計が盛んに行われている。このような可逆的な結合は応力が加えられたときに、ある一点に応力が集中するのではなく、分散が図れることで、材料自身の破断歪が向上するという特徴がある。また可逆的な結合であるため、材料内部で結合が切れたとしても、再形成により、材料強度の回復や再接着などの自己修復が期待できる。本研究では、シクロデキストリン (CD) と疎水性のゲスト分子からなる包接錯体をゲルの架橋点とすることで、自己修復性や高靱性を有する超分子材料を作製した。
|