近年、治療用抗体は医薬品売上高の上位を占めるようになってきたが、抗体は精製や輸送、保存過程において劣化しやすいことが未だ問題となっている。そのため、抗体医薬品を設計する際には、各過程における抗体の処理・保管法を、複数の分離・分光分析を併用して、厳密に設定する必要がある。本研究では、交差反応性を示す蛍光DNA/ナノサイズ酸化グラフェン(nGO)複合体群を利用することで、抗体のミスフォールディング情報をフィンガープリントとして出力し、これを多変量解析によって解析することで抗体の劣化状態を簡易かつ迅速に同定できる新規センシング法を開発した。
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