本研究では、単分散ポリ(4-n-アルキルスチレン)試料(アルキル炭素数=1~8)を用いて各種物性測定を行った。 まず、ガラス転移温度Tgの側鎖長依存性を評価した結果、側鎖長の増加につれてTgは低下することが確認された。これは運動性の高いアルキル基の側鎖への導入により、主鎖の運動性も高まり、Tgが低下するためと考えられる。また、動的粘弾性測定を行い、絡み合い点間分子量Meの側鎖長依存性を調べたところ、側鎖長の増加に伴い、Meは増加することが確認された。側鎖長の増加で分子鎖の嵩高さが増し、実質的に分子鎖が太くなって、絡み合いが生じ難くなっていく(Meが増加する)ことが原因と考えられる。
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