SiCと高い整合性を持ち、高融点かつ導電性のSiCエピタキシャル基板として有望なSiC-ホウ化物系共晶体の探索を目的とした。本研究ではSiC-CrB2やSiC-VB2に焦点を当て、アーク溶解法により溶融凝固し、仕込み組成が微細組織や結晶方位に及ぼす影響を調べた。SiC-CrB2ではSiC組成が22.5 mol%で微細なSiCがCrB2母相に分散した共晶組織を形成した。一方、SiC-VB2の共晶組成は45 mol%(SiC)であり、SiC(111)//VB2(1-210)およびSiC[0-11]//VB2[0001]の結晶方位関係をもつSiCとVB2の双方が単結晶性の一方向凝固組織を形成した。
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