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2017 年度 実施状況報告書

“Silicon Pool”への分子刺激によるバイオミメティックシリカ合成

研究課題

研究課題/領域番号 16K14090
研究機関名古屋大学

研究代表者

鳴瀧 彩絵  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10508203)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードナノ材料 / バイオミメティック / シリカ / ペプチド / 多孔体
研究実績の概要

本研究は、ケイ酸が濃縮された場である“silicon pool”を活用する新規概念に基づき、常温・常圧・中性pHで高度に構造制御されたシリカを得る生物模倣合成法を実証する。ケイ酸を濃縮するペプチドP1、およびP1と複合化して鋳型構造を形成しつつ、ケイ酸の重縮合反応を触媒するペプチドP2を独自に開発し、ケイ酸溶液に段階的に添加してシリカを合成する。ペプチドを除去して得られるシリカが、鋳型構造を反映した多孔質構造およびキラリティーを持つことを明らかにする。
前年度までに、当初の設計通り、P1はケイ酸の重縮合を阻害してペプチド周囲にsilicon poolを形成し、P2はケイ酸の重縮合を促進する効果を持つことを示唆する結果が得られた。平成29年度は、この結果の再現性を確認するために、モリブデンブルー法を用いた溶存ケイ酸濃度の測定について、独立した実験を3回以上行った。その結果、再現性を確認することができ、また、実験毎におけるデータのばらつきの程度に関する知見を得た。さらに、silicon poolを経由した多孔質シリカが、経由しない場合と比べて鋳型構造をより精密に転写しているかどうかを明らかにするために、対照実験を行った。P1とP2を段階的に添加した場合、P1のみを添加した場合、P2のみを添加した場合、およびP1とP2を同時に添加した場合についてシリカを合成し、得られた試料を透過型電子顕微鏡で観察した。その結果、ペプチドを段階的に添加した試料のみで、ペプチドの高次構造を反映した細孔が観察されたことから、silicon poolを経由することの有効性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2年の研究期間内に、バイオミメティック法による多孔質シリカの合成において silicon pool の活用が有効であるとの知見を得たものの、対照実験の再現性の確認と、シリカの重縮合度の測定を完了することができなかったため、論文の執筆が遅れている。

今後の研究の推進方策

再現実験として多孔質シリカの電子顕微鏡による観察を行うとともに、追加実験としてラマン散乱法によるシリカの重縮合度の測定を行う。これらの結果を含めて、シリカ合成における silicon pool の有効性の実証に関する論文を執筆する。

次年度使用額が生じた理由

補助事業の目的をより精密に達成するために、事業期間を延長した。再現実験として多孔質シリカの電子顕微鏡による観察を行うとともに、追加実験としてラマン散乱法によるシリカの重縮合度の測定を行う。シリカ合成に係る原材料費、および研究成果発表費として次年度使用額を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 名古屋大学 教員詳細

    • URL

      http://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/view/html/100007263_ja.html

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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