熱電変換材料の合成とその本質的理解を目指して,高圧実験手法を用いたリン化物半導体の合成とその評価に取り組んだ.まず,ピストンシリンダー型高圧発生装置をリン化物単結晶育成用に最適化し,Mnが少量ドープされたスクッテルダイト型CoP3を合成した.次に,熱電変換材料の母構造をなすリン化物の特性向上を期待して,Nbの新規リン化物の合成に取り組んだ.マルチアンビル高圧発生装置とダイアモンドアンビルセル高圧発生装置を組み合わせることで, 20 GPa以上の高圧下で常圧相より高配位な新規NbP2の合成に成功した.今後よりスケールアップすることで熱電材料への応用を試みる予定である.
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