遮熱コーティング(TBC)は,高温環境下における長期使用により,トップ/ボンドコート界面には熱成長酸化物(TGO)が生成・成長し,熱膨張係数の違いからTBCのはく離・脱落の発生が危惧されてきた.そのため,TGOを如何に発生させないかという点で研究が進められてきたが,本研究では,逆転の発想により,ボンドコート材に酸化物生成を促進させる元素・化合物を微量添加し,高温酸化物を積極的に生成させることで耐はく離性の顕著な改善を試みた.その結果,TGOが厚くなるほど界面強度が向上するTBCの開発に成功した.これは,厚いTGO内部に微細な縦割れが発生し,内部応力を逃がすためと考えられる.
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