高周波に断続された電子線照射により材料表面近傍に生成する熱波と音波(弾性波)の連成波動と,その音波による圧電効果を利用した非破壊欠陥検出のプロセスを,非フーリエ熱伝導,熱動弾性,圧電特性の3つのマルチフィジクスモデルとして近似し,波動のエネルギー輸送とそのイメージング(仮想EAI)手法の構築を行った.その結果,(1)一様な温度場,一様な応力場に加えて一様な電磁場のもとでは,欠陥部での位相の変化を増大させる増幅機能の可能性を確認した.(2)集束イオンビーム加工機を用いた欠陥導入により,深さの変化に対する実体EAIを取得した.底面に開放された孔の観察は弾性波の検出が困難であることがわかった.
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