研究課題
本研究では,中赤外レーザーの波長依存のない高出力・高エネルギーベクトルビームを簡便な方法で生成することを目的としている.ビームをレンズで集光することで,縦電場を発生させ,焦点深度が深い低エネルギー閾値材料加工を実現することに挑戦し,省エネ化に貢献しようとするものである.本研究では,波長10.6 μm用の新しい光学素子により,縦電場発生と集光径が小さな集光径を実現できるZ偏光の高エネルギーベクトルビームを発生させる.mJ級高エネルギービーム変換技術を確立できると共に,シングルショット中赤外偏光計測法や超高速解析法も実現でき,新奇レーザー加工法を提案できるものと考えている.本年度は,発生したベクトルビームの偏光をシングルショット解析し,幾何学的位相を評価することで,光渦が生成されていることを明らかにした.
2: おおむね順調に進展している
パルス炭酸ガスレーザーの出力ビームをベクトルビーム化し,幾何学定期位相を評価することで,光渦かradial偏光かを評価した.この結果,Z偏光を生成するためのradial偏光成分よりも光渦成分が大きいことが明らかになった.しかしながら,この偏光は,入射前のビームを波長板で変化すると出力される偏光状態を能動的に変化させることができることが分かったことから,この評価で妥当であると考えている.
研究計画に従って,ベクトルビームを集光することによる縦電場の発生と切断加工実験に進むことにしているが,前年度に残した課題である幾何学的位相を評価して,radial偏光状態を作り出すことに取り組む.その後,詳細な偏光解析により,加工試験を実施する.また,現在開発中の高繰り返し高平均出力レーザーでも加工試験を実施する予定である.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
Laser Physics Letters
巻: 14 ページ: 015001 (1-6)
https://doi.org/10.1088/1612-202X/14/1/015001
http://photonics.sixcore.jp