最終年度にあたり、実施計画書p6の項目【1.1(実験的検討)】と【1.2(数値解析による検討)】をそれぞれ実行した。 【1.1.4 不規則粗度付き壁面近傍における速度測定】では、28年度に作成して摩擦抵抗を測定済みの試験円筒を2重円筒試験装置に設置し、回転させ、粗度近傍の速度測定を行った。PIVにより速度の空間分布を記録し、これをもとに平均速度とレイノルズせん断応力の分布を調べた。(研究発表1件)。 【1.2.3 不規則粗度付き壁面近傍のDNSによるシミュレーション】では試験体から採取した表面形状を境界条件とし、局所細密化格子を用いたLBMによるDNS解析を行った。その過程で局所細密格子の際の誤差の低減法に関する検討を行った(研究発表1件)。モデル化に資する粗度の内側、外側の流れ場と摩擦抵抗が求められた(研究発表3件)。 【2.データ統合とモデル化】では【2.1 粗度曲線からSMCMモデルのパラメータの抽出、実証】を計画通り行った。【2.2 SMCMモデルから減速効果、小噴流効果を適切にモデル化し、現有のデータと矛盾を生じないようにMMCモデルを構築】これまでの考察をまとめ、多孔質体モデル(PMM)の形にまとめた。PMMは3次元的な構造は持たず、壁からの距離yに応じて空隙率と長さスケールの分布をもつ形をしており、1次元モデルであるが粗度の存在する空間とその上部の空間にある乱流への影響を適切に反映できることがわかった(研究発表2件) 【3.乱流計算と実証】では、壁面粗さ形状を与え、ASCMモデルを介してPMMを作成し、乱流計算を行う。【3.1 規則粗度、不規則粗度の摩擦特性のデータ収集】、【3.2 MMCモデルを境界条件とし、応力方程式モデルを用いて流れと壁面摩擦力を予測し、現有のデータと矛盾を生じないかの検証】をそれぞれ行った。
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