研究課題/領域番号 |
16K14163
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
望月 修 東洋大学, 理工学部, 教授 (50157830)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | サップフロー / PIV計測 / 流量計測 / 蒸散 / 機械的刺激 / 応答特性 |
研究実績の概要 |
1 植物細胞内流れと成長に関わる物質輸送および機械的刺激に対する応答特性の解明を行うことの目的に研究を行った。 そのために、植物の導管内の流れを計測するために、サップフローメータを用い、従来の方法でどの程度計測できるか実験を行った。実際には、導管を模した細管を用い、流した水を直接メスシリンダーに受け取ることで直接計測したものとの比較実験を行った。現在も引き続き、サップフローメーターの調整を行っている。 これと同時に、細胞質の染色のためにフルオレセインナトリウムをもちい、細胞質を識別する。500nmの蛍光パーティクルを細胞質に注入し、ゾルの流動を現有の共焦点顕微鏡によるマイクロPIVシステムを用いて観察、速度計測を行った。蛍光染料によるマイクロPIV計測が植物細胞内でも可能であることを確認し、現在も計測中である。
2 水の吸い上げ量と葉からの蒸散量とのバランス計測を行った。 既存のサップフローメータ(維管束内流れの熱式流量計測装置)では発熱体と熱を検出するプローブの2本を茎に挿さねばならないこと、またそれらは太いために、被計測植物をだめにする可能性がある。植物の健康状態を把握するのが目的であるので、非侵襲の流量計測装置を開発する。このため基礎実験として、維管束内流れの流量の計測方法の違いによる比較を行うため、吸い上げ量と蒸散量(シュリーレン法による直接計測)の関係を把握する。これを行うために、2枚の薄板で隙間を作るように作成した葉のモデルを設計製作した。この葉モデルの裏側には気孔を模した小孔をいくつか開けてある。これに内径10ミクロンの細管を接続し、それを水に浸すことで、水の吸い上げ実験を行った。これにより、制御された入力条件及び出力条件の元で、実験を行える環境が整った。現在吸い上げ実験を行っている最中である。この内容については現在、学会発表の準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
植物の導管内の流れを計測するために、サップフローメータを用い、従来の方法でどの程度計測できるか実験を行った。実際には、導管を模した細管を用い、流した水を直接メスシリンダーに受け取ることで直接計測したものとの比較実験を行った。現在も引き続き、サップフローメーターの調整を行っている。若干遅れぎみなのは、サップフローメータの一部の部品の調達に時間がかかったためである。 これと同時に、細胞質の染色のためにフルオレセインナトリウムをもちい、細胞質を識別する。500nmの蛍光パーティクルを細胞質に注入し、ゾルの流動を現有の共焦点顕微鏡によるマイクロPIVシステムを用いて観察、速度計測を行った。蛍光染料によるマイクロPIV計測が植物細胞内でも可能であることを確認し、現在も計測中である。これについては順調に進んでいる。 植物の健康状態を把握するための非侵襲の流量計測装置を開発するため、基礎実験として維管束内流れの流量の計測方法の違いによる比較を行っている。吸い上げ量と蒸散量(シュリーレン法による直接計測)の関係を把握することを行うために、2枚の薄板で隙間を作るように作成した葉のモデルを設計製作した。この葉モデルの裏側には気孔を模した小孔をいくつか開けてある。これに内径10ミクロンの細管を接続し、それを水に浸すことで、水の吸い上げ実験を行った。これにより、制御された入力条件及び出力条件の元で、実験を行える環境が整った。現在吸い上げ実験を行っている最中である。これについては、おおむね順調に進んでおり、学会発表の準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、マイクロ領域でしかも低速(100マイクロ/秒程度)領域で流れを表すことができるかの予備実験をガラス細管内でおこなう。いくつかの直径のトレーサー粒子を試す必要がある。流動の3次元的把握が必要である。そのため、断面を特定して計測できる共焦点顕微鏡を用いる。断面をずらしながら、3次元データの取得を行う。刺激に対する細胞質流動の応答特性解明。流動状態と植物の健康状態との関連づけと非侵襲型流量計のためのアンプ回路設計製作を行う。また、サップフローメータの特性をこれらとは別に行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費としてのサップフローシステムを計上していたが、システムとして購入できず、部分で購入しアッセンブルしたために、若干安くなったのが大きな理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度に、模型作りの材料費用に当てる。
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