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2017 年度 実施状況報告書

浮遊法と放射率フリーの温度計測法を融合した完全非接触熱物性計測法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K14169
研究機関弘前大学

研究代表者

小畠 秀和  弘前大学, 北日本新エネルギー研究所, 准教授 (10400425)

研究分担者 山田 善郎  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 首席研究員 (60358265)
笹嶋 尚彦  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70357127)
山口 祐  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (80612176)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード電磁浮遊法 / 2波長反射率比法 / 高温融体 / 非接触 / 温度計測
研究実績の概要

本研究では2波長反射率比法を電磁浮遊液滴に適用することで、放射率を要しない高温融体に対する非接触温度測定法の構築を目指している。
東北大学で開発された電磁浮遊法と静磁場印加を組み合わせた超高温熱物性計測システムにより、非接触で試料の汚染を防ぎ、かつ融体内の対流を抑制した高温融体の熱物性測定が可能となった。この計測システムを使った高温融体に対する熱物性計測は世界的にも高く評価されているが、非接触での熱物性計測には融体試料の放射率が必要である。そのため、このシステムによる融体の熱物性測定には、試料の放射率は常に一定であると仮定する必要があり、融点が未知の試料に対しては正確な測定が行えない問題があった。
一方、産総研では補助光源を用いて試料の反射率比を求めることで放射率に依存しない温度測定を可能とした2波長反射率比法を開発している。この手法は電子基板などへの温度モニタリングへの適応が進められているが、サイズの小さな球状試料や高温の溶融金属については、まだ研究が必要である。
本研究では、これら電磁浮遊技術を活用した熱物性計測技術と、放射率に依存しない温度計測技術を組み合わせ、完全非接触熱物性計測法を構築することを目的としている。
平成29年度では誘導加熱によって1000度以上の高温で保持した固体金属球に対する照明光学系および熱電対での温度測定法を改良し、2波長反射率比法での温度測定における不確かさ要因を検証した。また超高温熱物性計測システム内で非接触で保持した溶融CuおよびNi球に対して、本手法による温度測定を試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度の計画は(1) 純金属の融点を定点として用い、昨年度に作製した2波長反射率比法による温度計測を行うこと、(2)温度測定精度の評価を通じて、2波長反射率比法の電磁浮遊液滴に対する適応性を検証することであった。本年度では、実際に電磁浮遊させた溶融CuおよびNiに対して本手法による温度計測を試み、これらの不確かさ要因についての評価を行い、これらの計画を達成した。

今後の研究の推進方策

静磁場中で電磁浮遊させた溶融金属に対する温度測定についてのデータをもとに、不確かさ要因を検証し、光学系の改良を行う。また、装置依存の特性を把握しながらデータ解析方法についても検証を行う。これらの光学系の改良および、データ解析方法についての検証を通じ、本手法による温度計測の精度向上を図る。

次年度使用額が生じた理由

(理由)本年度では、2波長反射率比法による温度計測を静磁場中で電磁浮遊させた溶融試料に対しての適用を試みた。当初の予定では精度向上に向け、光学系部品の改良を行う予定であったが、2月に行った研究打ち合わせにおいて装置依存のパラメータを導入した解析方法の修正によって精度が上がる可能性があることが分かった。そこで本年度では先に解析方法の改良を進めることとなった。そのため当初予定していた光学系の改良を次年度に持ち越すこととなったため、次年度使用額が生じた。

(使用計画)解析方法を改善し、不確かさ評価を行った後、光学系の改良に必要なレンズ等の物品費として計上する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Pt球を用いた放射率フリー温度測定法の高温適用性評価2017

    • 著者名/発表者名
      黒川佑馬,小畠秀和,福山博之,笹嶋尚彦,山口祐,山田善郎
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会 第 173 回春季講演大会
  • [学会発表] 溶融金属の粘性測定とそのモデル化: ドイツ航空宇宙センターでの研究活動報告2017

    • 著者名/発表者名
      小畠秀和,Brillo Juergen
    • 学会等名
      H29年度第1回高温物性値フォーラム研究会
  • [学会発表] APPLICATION OF DUAL-WAVELENGTH REFLECTANCE-RATIO METHOD TO HIGHTEMPERATURE METALS2017

    • 著者名/発表者名
      Yuma Kurokawa1, Hidekazu Kobatake, Hiroyuki Fukuyama1, Yoshiro Yamada, Naohiko Sasajima, and Yu Yamagichi
    • 学会等名
      European Conference on Thermophysical Properties, 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] Dual-Wavelength Reflectance-Ratio (DWR) Method Applied to High-Temperature Metals2017

    • 著者名/発表者名
      Kobatake Hidekazu, Kurokawa Yuma, Fukuyama Hiroyuki, Sasajima Naohiko, Yamaguchi Yu, Yamada Yoshiro
    • 学会等名
      Society of Instrument and Control Engineers (SICE)
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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