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2017 年度 実施状況報告書

吸着式エンジンの研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K14173
研究機関九州大学

研究代表者

宮崎 隆彦  九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (70420289)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード吸着 / 熱機関 / HFC-245fa / 活性炭
研究実績の概要

吸着冷凍サイクルの解析等で使用されるデューリング線図を元に,吸着現象を利用した熱機関サイクルを検討した結果,吸着過程と脱着過程を繰り返す吸着サイクルは,スターリングサイクルと同様な2つの等容変化と2つの等温変化で構成されるサイクルに近似できることが明らかとなった.そこでH29年度は,吸着現象を利用した熱機関サイクルの原理実証を目的とする実験の準備を実施した.親水性吸着剤-水,活性炭-アルコール系,活性炭-フロン系等,吸着冷凍サイクルで利用される代表的な吸着材-作動媒体の組み合わせについて,吸着等温線の情報を文献から調査した.そして,得られた吸着等温線を用いて動作圧力・温度を想定して理論サイクルの動作圧力,温度を検討した.これらん検討の結果,動作圧力の点で活性炭とHFC-134aの組み合わせが最も適していると考え,吸着熱交換器の設計・製作を行った.作動流体の導入方法や温度制御方法等の調整を行い,次年度から本格的に実験を開始するための準備を完了した.
また,HFC-134a以外の作動流体についても検討を行った.特に,オーガニックランキンサイクル等で利用される作動媒体であるHFC-245faは,圧力の点から熱機関サイクルに適していると予測される.しかし,高比表面積を有する活性炭によるHFC-245faの吸着量を測定した例がなく,吸着量を予測できない.そこで,粉体状活性炭とHFC-245faの吸着等温線を実測し,熱機関サイクルの性能予測に必要となる吸着等温線の予測式を作成した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実証実験に用いる吸着剤と作動流体の選定,および,実験装置の設計・製作が完了し,次年度から実験を開始する準備が整った.ただし,装置製作上の都合により,実験装置に用いた活性炭と作動媒体であるHFC-134aの吸着等温線は文献データとは差異が大きい可能性があるため,吸着等温線を再取得する必要がある.

今後の研究の推進方策

実験装置で使用する活性炭と作動媒体の組み合わせによる吸着等温線の再取得が必要になったため,吸着等温線の実測と動力サイクルの実証実験を並列して実施する.始めは,既存の文献データを利用してサイクル実証実験データを解析し,吸着等温線の新規データ取得が完了した後に,サイクル実証実験データの解析を追加・修正する.H30年度終了までに,吸着現象を利用した動力サイクルの基礎データを取得し,サイクルを実証する.

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公開日: 2018-12-17  

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