| 研究課題/領域番号 |
16K14183
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| 研究機関 | 埼玉大学 |
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研究代表者 |
蔭山 健介 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30272280)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | エレクトレット / 超音波センサ / フレキシブルセンサ / センサアレイ |
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| 研究実績の概要 |
PTFEディスパージョンをスピンコートによりAlフィルム上に塗布・仮焼を2回繰り返した後、PTFEを焼成することによって4μm程度の極薄の絶縁層を形成した。この際、スピンコーティング時にPVA溶液を添加することでPTFEの緻密化を促進したところ、、-0.3kV程度であれば常温で良好な電荷保持特性を示すPTFEエレクトレットが得られたが、150℃では電荷保持特性が大幅に劣化した。そして、前述の手法で作製したPTFE層にコロイダルシリカをスプレー塗布することで、さらに電荷保持特性が向上し、-0.5kV程度まで常温で保持できるだけでなく、150℃まで大半の電荷を保持できることを明らかにした。次に、焼成または、仮焼後のPTFE層にコロイダルシリカのスクリーン印刷を試みたところ、仮焼後のPTFE表面が疎水化するためコロイダルシリカ液滴がPTFE表面に均一に印刷することが困難であることが分かった。一方、仮焼前でスクリーン印刷するとPTFE層が剥離してしまうことも明らかとなった。そこで、PTFEディスパージョンをスピンコーティングした後、仮焼せずに親水性の状態でコロイダルシリカを塗布することで、コロイダルシリカとPTFEの複合層を形成した。そして、複合層を形成することでコロイダルシリカが乾燥して得られるシリカ凝集体のより扁平な形状なり、従来より極薄のシリカ凝集体エレクトレットが得られることを見出した。この結果から、、PTFE層を選択的に仮焼して疎水化することで、親水性表面をパターニングしてからスプレー塗布するなどして、複合層を形成すれば、シリカ凝集体を印刷できると考えられる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロイダルシリカを直接PTFE層にスクリーン印刷することは困難であったため、現在代替え手段として、PTFE層を選択的に仮焼した後、スプレー塗布などによりコロイダルシリカを印刷することを試みている。そのため、シリカ凝集体の印刷については計画が遅れているが、複合層を用いれば印刷できる可能性を見出しており、さらに複合層によりエレクトレットの電荷保持特性が向上することも明らかとなっている。一方で，PVAを用いることで4μmまで極薄で常温で電荷を安定して保持できるPTFE層の形成手法を確立するとともに，得られた極薄PTFE層にシリカ凝集体エレクトレットを形成することで，150度まで電荷を安定して保持できるエレクトレットを得ることができた。さらに，PTFEとシリカ凝集体の複合層を形成することでシリカ凝集体の高さを低減することも見出した。これにより，PTFE層表面を一時的に親水性とすることでシリカ凝集体を微細パターニングする可能性を見出した。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、早急にシリカ凝集体の印刷手法を確立して、センサの製作に取り掛かる予定である。まず，レーザー加工などを用いることで選択的にPTFE層表面を疎水化した後，スプレー塗布やスクリーン印刷などでコロイダルシリカを塗布することでシリカ凝集体の微細パターニング印刷手法を確立する。次に，得られたシリカ凝集体エレクトレットを用いて空中超音波センサを製作してその特性を評価することで，従来のエレクトレットセンサーより性能が向上することを実証する。さらに，得られた極薄エレクトレットセンサーをアレイ化することでモーションセンシングを行い，従来センサに対する優位性を見出す。
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