月面では1/6-G,火星では3/8-Gといった地球外環境の運動シミュレーションには,空気圧により体重の最大20 %の免荷状態で利用可能な反重力トレッドミルが有効である.しかし,反重力トレッドミルでは床反力を計測できず,エアバックで覆われているため光学式運動計測機器は使用できない.そこで申請者らが開発した,ウエアラブル床反力計と,下肢に着用する姿勢センサにより構成される装着型運動計測装置を使用した.その結果,床反力と関節角度の測定結果から,歩行動作特性は,荷重率40 %と60 %の間で大きく変化し,免荷するほど浮き気味でかつ緩やかな脚運びのつま先立ち歩行になることが定量的に明らかとなった.
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