研究課題/領域番号 |
16K14201
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
前田 真吾 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (40424808)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 静電アクチュエータ / ソフトアクチュエータ / 多孔質 / エラストマー |
研究実績の概要 |
柔軟かつ軽量な特徴を有するソフトアクチュエータが近年では注目されつつある.その柔軟性からウェラブルデバイスなどへの応用が期待され,さらに介護ロボットなどへの展開も視野にいれつつある.代表的な高分子素材を用いたソフトアクチュエータの一つに,誘電エラストマーアクチュエータが知られている.このアクチュエータはキャパシタ構造で,柔軟電極と誘電体の部分がエラストマーで設計されている.その柔軟電極に電圧を印加すると電極間に静電気力が働き,軸方向に収縮し,平面方向に伸長する.しかしながら,エラストマーの大変形を誘起するためには,予歪をかけておく必要がある.そこで本研究は,エラストマーを多孔質にすることで,一軸変形可能な収縮型のアクチュエータを目指す. 多孔質材料の圧縮試験結果よりモデルパラメータの材料定数を算出し,系の熱平衡状態を解けば理論的な電圧―ひずみ特性を算出できる.さらに本研究では,力学的安定性を系の熱平衡状態の式から導出し,スケールファクタ以外の材料パラメータの関係を導いた.その結果,応力歪特性さえ分かれば,電圧を加えた時の安定性が議論できるように式を整理した. 前年度までに作成した多孔質膜を多層化することで,巨視的なスケールの収縮量を得るための方法として,電極を陰圧によって実現した.具体的にはトレーシングペーパーをカッティングマシンでカットし,銀インクをプリンターで印刷した.結果として1ミリ程度変位を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論的な背景はしっかりとできている.一層では上手く変位を取れているが,多層化するためのファブリケーションについていくつか解決するべき課題が見つかった.現在は,地道であるがその課題を解決するための方法を模索中である.
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今後の研究の推進方策 |
現在,電極の多層化する方法を検討している.また,柔軟な電極と多孔質体を上手く結合するマテリアルの探索と,多孔質膜の大量生産方法について検討中である.
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