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2017 年度 実績報告書

ペーパーメカトロニクスの基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K14202
研究機関早稲田大学

研究代表者

橋本 周司  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60063806)

研究分担者 前田 真吾  芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (40424808)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード印刷デバイス / 電気流体現象 / 自励振動子 / リミットサイクル / ペーパーメカトロニクス
研究実績の概要

本研究では,マイコンなどの電子部品は使用せずに印刷のみで駆動するインテリジェントメカニズムを設計する.具体的な目標としては,直流電源をエネルギ源として振動を発生するシステムの検討と開発である.前年度は電鈴の機構に着目し,直流電源から通電した電流路とネオジム磁石とを相互作用させることで,自励振動を誘起させることに成功した.しかし,印刷配線の抵抗値は高く,磁石と相互作用するほどの磁場を誘起するためには,大きな電流を必要とする.そこで,本年度は低電流で駆動する電気流体現象に着目し,自励振動発生システムの開発を目指した.
電気流体現象とは,絶縁性流体に浸された2対の電極間に高電圧を印可することによって,電極間の絶縁性流体が流動する現象のことである.我々は紙に櫛型の電極を印刷し電圧を印可することで動作する印刷平面ポンプを検討した.正極と負極が並び流動が発生するが、櫛形にすることで正負極対が多く設けられ,それぞれの流動が重ね合わさることで大きな流動となる.このときの流動の反作用力を利用することで,揺動するアクチュエータを作ることができる.印刷電極をブランコのように吊るし電圧を印可すると流動とは逆の方向に電極が揺動する.電圧・波形・電極間距離などを変えて揺動アクチュエータの基礎特性を調査した.この調査過程で,電極と容器の底との距離を近づけると自励振動が発生することが確認された.この振動はリミットサイクルであり,外部から摂動を与えても元の周期に戻ることがわかった.リミットサイクルは線形強制振動とは異なり,外部刺激によって特性が変わらないという特徴を持つ.この系の電気力学的自励振動の機序を解明し,振幅・周期の制御方法を確立することで,印刷のみで作製できるインテリジェントメカニズムの実現が可能であるとの見通しを得た.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] Scuola Superiore Sant’Anna(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      Scuola Superiore Sant’Anna
  • [学会発表] Swinging paper actuator driven by conduction electrohydrodynamics2017

    • 著者名/発表者名
      Shigemune Hiroki、Kuwajima Yu、Matsushita Yuki、Maeda Shingo、Cacucciolo Vito、Cianchetti Matteo、Laschi Cecilia、Sawada Hideyuki、Hashimoto Shuji、Sugano Shigeki
    • 学会等名
      Robotics and Biomimetics (ROBIO), 2017 IEEE International Conference on
    • 国際学会
  • [学会発表] Simultaneous printing of multiple origami structures2017

    • 著者名/発表者名
      Shigemune Hiroki、Maeda Shingo、Hashimoto Shuji、Sugano Shigeki
    • 学会等名
      Micro-NanoMechatronics and Human Science (MHS), 2017 International Symposium on
    • 国際学会
  • [学会発表] ヒューマノイドからガンダムまで2017

    • 著者名/発表者名
      橋本周司
    • 学会等名
      エレクトロニクス実装学会 ミッションフェローセッション「AIは敵か味方か?」
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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