研究課題
本研究は火星飛行機におけるプラズマアクチュエータの適用可能性を模索するために、真空チャンバー中での放電実験と、火星大気風洞を用いた風洞実験を実施した。放電実験においては、ガス圧力を大気圧から火星大気である0.7 kPaまで徐々に変えながら、放電の特性がどのように変化するかを観測した。計測したパラメータは放電電圧、電流、放電発光である。これらを様々なガス圧、ガス種(空気、酸素、窒素、二酸化炭素)環境下で計測した。また、放電特性に加えて、シュリーレン法によりプラズマアクチュエータで発生する誘起流の可視化を行った。火星大気風洞を用いた風洞実験においては、コード長50 mm、スパン長100 mmの平板翼を用いてプラズマアクチュエータによる剥離制御実験を行った。平板翼は3Dプリンタを用いて作成し、平板翼の内部に静圧孔を開けることで翼表面にかかる静圧の計測が行えるようにした。プラズマアクチュエータを点けた場合と点けない場合とで翼面に生じる圧力にどのような違いが生じるかを計測し、プラズマアクチュエータによる剥離制御効果を評価した。実験は20 kPa, 10 kPa, 5 kPa環境下で行った。また、圧力計測に加えて、風洞中でのシュリーレン計測を行った。高速度カメラを用いることでプラズマアクチュエータにより流れが非定常に変化する様子をとらえることに成功した。プラズマアクチュエータに関する研究はこれまでそのほとんどが大気圧環境下で行われてきているが、本研究により減圧環境下でもプラズマアクチュエータは有効に動作する可能性が示された。
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