本研究で提案する共鳴トンネルダイオード(RTD)を用いたテラヘルツ(THz)送受信モノリシック集積回路に関して、増幅器の設計と実験的な基礎原理検証を行った。電磁界シミュレーションを用いた回路設計と、THz帯ベクトルネットワークアナライザによって抽出したRTDのTHz帯パラメータより増幅率を計算した。計算より1THz帯では0.4平方μm のRTDメサを集積することで約2dBの増幅度を有することが分かった。初期実験として、300GHz帯で増幅デバイスを作製し増幅率の測定を行ったが、寄生発振により増幅特性は得られなかった。そのため、この寄生発振を抑圧することでTHz増幅動作が可能と考えられる。
|