可逆回路は計算における情報のエントロピーが不変で双方向に論理演算が可能な回路であり、演算エネルギーの熱力学的限界であるLandauer 限界を超える超低消費電力での論理演算が可能であることが知られている。本研究では我々が提案した可逆断熱量子磁束パラメトロン(AQFP)を利用することで、逆問題の計算を低消費電力で実行できる計算機の創生を目指す。我々は可逆AQFP多数決ゲートを用いて可逆加算器を設計・試作し、回路の正常動作を実験により検証した。また、可逆ゲートを用いた可逆演算回路の消費エネルギーの数値解析を行い、これらの回路がLandauer限界を超える超低消費電力で動作することを示した。
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