研究課題/領域番号 |
16K14251
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
加藤 孝弘 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (10432098)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 固有ジョセフソン接合 / 電磁波放射 |
研究実績の概要 |
本研究では、申請者が見出したBi-2212単結晶を極低濃度塩酸に浸漬させることで生じるBiOCl誘電体層を導波路とし、Bi-2212固有接合からなるサブミリ波源・量子化定電圧発生器を一体化した高温超伝導モノリシック電圧標準素子開発を目指している。 本年度は、導体層にはAu薄膜を用いAg/BiOCl/Agのマイクロストリップ線路型の導波路構造を形成し電磁波放射ならびにシャピロステップ発生用のBi-2212固有接合アレイの結合の完成を試みた。実験結果として次の3点を確認した。 [1]電磁波放射源としてBiOCl誘電体層に取り囲まれたBi-2212発振器の作製を行ない電磁波放射を確認した。 [2]1の電磁波放射源にシャピロステップ発生用のBi-2212固有接合アレイを導波路構造なしで結合させ、電磁波放射に伴う臨界電流の抑制を確認した。ただし、シャピロステップは観測されていない。 [3]導波路構造を形成する金属薄膜成膜用の高真空DCスパッタ装置を設計と立ち上げを行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スパッタ装置の立ち上げに時間を要し、導波路構造と一体化したデバイス構造の作製と評価まで実施できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、前半期までに立ち上げた成膜装置を用い導波路構造を形成するための金属層の成膜条件を整える。特に成膜条件によってはBi-2212表面層にダメージを与え接触抵抗の増大につながる可能性もあるため慎重に準備を進める。併せて、電磁波放射素子と検出素子(シャピロステップ発生用)を導波路構造で一体化した素子構造作製プロセスを完成させる。後半期には、本研究課題の目的を達成すべく特性評価を中心に実験を進め、必要に応じてデバイス構造の修正を適宜行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
H28年度に設備費としての申請額が430万であったのに対し、実際に認められたのは260万でありと計画書通りの実験計画を遂行するのが困難であった。このため、長岡技術科学大学の学長裁量経費への予算申請などを行い、研究経費の合算使用による研究の実施を行なったため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は実験ではデバイス作製に要するフォトマスク作製費を中心に支出する予定である。また、年度末には研究成果を報告するための費用として使用を考えている。
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