本研究課題ではBi系固有接合を発振・検出素子とした77K動作の電圧標準素子開発に向け研究を進めてきた。とりわけ重要となるのが発振・検出素子を高周波的にカップリングさせるための導波路構造の形成である。このため、Bi-2212単結晶を希塩酸に浸漬させることで得られるBiOCl結晶を誘電体層とする導波路構造を着想し、テラヘルツ帯における物性を時間領域分光によって初めて評価した。その結果、当該材料は2THz程度までは屈折率が3から4程度、また吸収が小さいことが明らかとなり導波路構造体として利用できると判断された。
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