研究課題
本申請計画で構成したⅠ.Aβオリゴマー化動態センサの構築、Ⅱ.センサ高感度化、Ⅲ.ELISA結果との比較、の3大項目中、主に前二者を進展できた。Ⅰ.1)と2)オリゴマー検出脂質膜としては、Aβ分子モノマー段階で感度良く検出してしまう脂質種があったが、コレステロール添加(生体膜をより模擬)で線維伸長が活発になるオリゴマー段階を検出し得た。現時点でDMPC/コレステロールが最適であった。Ⅰ.4)センサ動作では、被験者血液測定の病院認可を得るためにヒト血清中を用いたカンチレバーセンサでのAβオリゴマー化動態検出を上記Ⅰ.1),2)での種々の脂質膜を用いて行い、ヒト血清中多数のタンパク質がリポソーム脂質膜と経時的相互作用変化をほぼ発現しないことから、Aβ線維伸長特有の動態変化を、上記選定したDMPC/コレステロールでヒト血清中においても検出できた。一方で並行して脂質膜修飾分子として糖鎖修飾リポソームの性能検討を行い、DPPCの蛍光測定では1桁以上の感度向上を確認した。Ⅱ.センサ高感度化では、1)の上記センサ抵抗歪ゲージ出力の低雑音化を差動回路技術とデジタルフィルタ技術で約3 ppmまで低減できた。その結果、Aβ1 nMまでの低濃度測定が行えた。またセンサ動作時温度変化+/-0.1度以内の制御系を別途構成した。2)の動的検出PZT圧電センサでは、PZT薄膜が被測定バイオ溶液保持負荷を可能とするようなデバイス構造を検討し、溶液の流路供給と共に同薄膜を最上部/最下部にする2つの構造の設計に至った。Ⅲ.ELISA結果との比較では、使用する合成オリゴマーの供給開発時間の点で分子内容が開示された市販Aβオリゴマーを選定した。上記センサ結果とは別に本Aβオリゴマーによる測定の比較を行う。
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