界面磁壁の 3次元シフトレジスター動作に適した材料系の一次候補として,Co/Ni等の人工格子膜に着目し,核形成磁界と磁壁抗磁力の比を,磁壁情報安定性と低電力磁壁転送との相反要求に対する性能指標として層構成の最適化を行った.マイクロマグネティクスシミュレーションにより,界面磁壁を熱擾乱に抗して安定に保持可能な磁気異方性変調構造や磁壁駆動電流を明らかにした.層厚10nmの面内磁気異方性層が界面磁壁に対して安定なピニングサイトとして機能することを明らかにし,30nm周期で形成したピニングサイト間を実用上充分な駆動電流余裕度(中央値の34%)でビットシフト可能であることを示した.
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