研究課題
・チタン酸ストロンチウムマグネシウムSrTi_{1-x}Mg_{x}O_{3-d}を酸化触媒材料とし,電気炉内に半導体ウェーハと酸化触媒を配置して加熱することによる酸化特性の変化を調査した.・熱酸化特性が正確に調査されているシリコンウェーハを被験試料として触媒酸化の効果を調査した結果,上記触媒材料の組成xを増加すると酸化が増速されることがわかり,触媒効果による酸素原子の生成が増速酸化の機構であることが裏付けられた.組成xの最大値は0.5程度であることがわかった.これは,チタンを置換するマグネシウム量の限界に関する知見と一致する.・x=0.5の触媒を用いた場合,シリコンの熱酸化モデルにおける線形速度定数の活性化エネルギーが1.76eVから1.00eVに,パラボリック速度定数が2.22eVから1.90eVに低下できることがわかった.これらの結果から,酸化触媒による酸化は,酸化物/シリコン界面での酸化反応を大きく促進していることがわかった.・炭化シリコン(4H SiC)についても触媒酸化によって酸化を増速できることがわかった.・x=0.6の触媒を用いて4H SiCの熱酸化モデルにおける線形速度定数の活性化エネルギーが2.1eVから1.5eVに低減できることがわかった.その結果,摂氏800度での酸化速度を従来技術に比べて100倍近く増大できることがわかった.・摂氏850度での酸化でゲート酸化膜を形成して電気特性を調査した結果,1150度での酸化よりもやや低い界面準位密度をもつことがわかった.
1: 当初の計画以上に進展している
・触媒酸化の基本特性を定量的に調査できただけでなく,次年度に予定していた電気特性の調査にまで研究を進めることができた.・新たな提案である三温度法についても,試験装置を構築中である.
当初計画にしたがって研究を実施する予定である.
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Jpn. J. Appl. Phys.
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http://doi.org/10.7567/JJAP.55.06GJ05
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Workshop Digest of Asia-Pacific Workshop on Fundamentals and Applications of Advanced Semiconductor Devices
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