本研究ではSi空乏層上にトンネル可能な薄いゲート絶縁膜をもつグラフェン電界効果トランジスタ(FET)およびMoS2-FETの光応答について界面における電荷の捕獲放出過程の観点から検討した。グラフェンFETの場合、トンネルバリア近傍にある捕獲中心とグラフェンとの間のキャリアの捕獲放出過程により過渡応答及び定常状態の特性が説明できることが明らかになった。また、FETの効果により従来よりも2桁程度感度が向上し単光子検出がほぼ実現できた。MoS2-FETの場合、ゲート絶縁膜界面に2nmのAl2O3バッファ層を挿入することで過渡応答特性が1万倍、明暗比が5桁と著しく特性を向上させることに成功した。
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