本研究では、磁気マーカーと細胞との結合反応を磁界中で行う「磁場中結合反応法」と呼ぶ新規な手法を開発した。本手法を用いることにより、磁気モーメントが揃った状態で磁気マーカーを細胞に結合することが出来る。最初に、磁気粒子の溶液中でのブラウン緩和特性を明らかにし、その結果を基に、本手法で用いる反応磁界の大きさを選定した。次に、本手法を用いることにより、細胞に結合した磁気マーカーのヒステリシス損や高調波スペクトル等の磁気特性を大きく改善できることを示した。この結果は数値シミュレーションによる予測と定量的に一致した。最後に、磁気マーカーを用いたバイオセンシングに本手法を適用しその有効性を示した。
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