鋼橋の補修溶接を支援するため,補修現場で使用できる小型・可搬型の高周波誘導加熱コイルを選定した.さらに,小型・可搬型の高周波誘導加熱装置を用いて予熱・後熱を行う対象とする鋼橋の構造形式の特定した.鋼橋において損傷事例が多く,溶接補修が適用される可能性の高い形状を対象として,予熱・後熱を適用する前の基本状態である溶接残留応力の特徴を明らかにするためのシミュレーションを実施した.また,誘導加熱装置による入熱特性を検討するための実験とシミュレーションを実施し,入熱量,入熱位置の違いによる温度分布の特徴を明らかにした.本研究で使用する高周波誘導加熱装置では,1分程度で約600℃までの加熱が行えることが分かった.これにより,溶接前の予熱と,溶接後熱処理に必要とされる温度が部材に付与できることを確認した.
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