腐食や疲労により損傷した土木鋼構造物を補修する際,補修部材の取付けにはボルト接合が適用されることが多い.重量増加,狭隘部での施工難度といったボルト接合の課題を解決するため,本研究では,溶接を適用することを想定する.溶接を補修に適用する場合,ボルト接合と比較して重量増加が少なく,穿孔の工程が省略できる.また,狭隘な部位での施工性が良好である.ただし,溶接入熱に伴う残留応力が補修部材の力学性能に悪影響を及ぼすことが想定される.この残留応力を低減するため,現場で使用できる小型・可搬型の高周波誘導加熱装置による熱処理の適用性を検討するため,一連の実験および数値シミュレーションを実施した.
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