研究課題/領域番号 |
16K14302
|
研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
谷 和夫 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (50313466)
|
研究分担者 |
田中 洋輔 東亜建設工業株式会社技術研究開発センター, 地盤・防災技術グループ, 研究員(移行) (30311666)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 地盤工学 / 建設機械 / 海洋工学 / 海洋資源 / 海底探査 / トラフィカビリティ / 油圧ショベル |
研究実績の概要 |
平成28年度の成果に基づいて,海底地盤における履帯式重機のトラフィカビリティ評価システムとして,ポータブルコーン貫入試験の代替となるサウンディング方法として油圧ショベルによるバケット載荷試験を提案した。平成29年度には,この載荷試験における計測技術として,バケットに作用する荷重とバケットの地盤への貫入量を求める方法について検討した。 検討の方法は,油圧ショベル(3ton未満)を用いたバケット(容量は0.1m3級)の載荷実験とした。室内におけるコンクリート床上での予備実験と,屋外における埋め立て地盤上での本実験を実施し,以下の結論を得た。 (1)バケットに作用する荷重は,最も一般的なブーム操作のみによるバケット貫入の場合には,ブームシリンダに取り付けた圧力計による油圧の計測値から推定することが可能である。計測された油圧力から求められたシリンダ荷重を基に,ブーム下端軸回りのモーメントの釣り合い条件からバケットに作用する荷重を計算することができる。 (2)バケットの地盤への貫入量は,ブームと機体本体に取り付けた傾斜計によるブーム及び機体の回転の計測値から推定することが可能である。なお,この推定の誤差がやや大きい理由としては,クローラ下の地盤反力の分布が載荷に伴って変化(合力が減少して重心が後方に移動)することにより機体本体の回転中心も鉛直方向に移動することが考えられる。 上記の成果については,第14回地盤工学会関東支部発表会に1編,第53回地盤工学研究発表会に2編を投稿した。また,特許出願も1件を準備中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案している油圧ショベルのバケット載荷試験について,目標としていたバケットの荷重と貫入量の関係を計測できる方法を開発できたので,順調に進展したと判断した。 成果の公表は,国内研究集会での論文発表3件で,特許出願も1件準備中である。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度までの検討は,すべて平坦で水平な地盤を対象としていた。また,バケットの荷重と貫入量の関係からコーン指数を推定する方法についても,検討をしていなかった。 そこで,平成30年度には,傾斜した地盤ないし不陸のある地盤において載荷試験を実施して,提案手法の適用性を検討する。さらに,バケットの荷重と貫入量の関係について適切な特性値(降伏値,線形部分の傾き(剛性),基準荷重に対する貫入量あるいは基準貫入量に対する荷重など)からコーン指数を推定する方法についても検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
少額の残金なので繰り越して使用する。
|