研究課題/領域番号 |
16K14314
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研究機関 | 熊本高等専門学校 |
研究代表者 |
入江 博樹 熊本高等専門学校, 建築社会デザイン工学科, 教授 (70249887)
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研究分担者 |
葉山 清輝 熊本高等専門学校, 情報通信エレクトロニクス工学科, 教授 (00238148)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | GNSS-R / 干潟 / 地形計測 |
研究実績の概要 |
上側のアンテナと下側のアンテナにより、衛星からの直接の電波と大地での反射波をそれぞれ別々に電波を受信できる装置を試作した。固定された状態で陸上での予備実験ができるようになっている。 上側のアンテナは通常の右偏波、下側のアンテナは、通常とは逆の左偏波の偏波特性を持つものを使用した。下側のアンテナでとらえた電波から擬似距離を求め、上側のアンテナでの擬似距離とを比較することができるようになっている。擬似距離の算出には、小型の1周波数のRTKーGNSS受信機を2台利用した。最初の実験として、それぞれの電波のSNRの時間的な変化について調べた。 この実験からQZSSは天頂付近では、SNRの変化が少なく、GNSS-Rに利用しやすいことを確認した。 対象とする干潟を選定し、干潟でのGNSS-Rを行う前の準備として、可視カメラで地形の映像を撮影している。地形の映像撮影には、本プロジェクトで導入した自律飛行が可能なドローンを用いた。撮影された映像からSfMの技術を利用して3D地形図を作成した。この作成された地形データと本プロジェクトのGNSS-Rによる測量結果を比較する計画である。 また、本プロジェクトで試作中のGNSS-Rの測定資材を無人機に搭載するための固定装置を試作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を遂行するために必要な機材は概ね揃えることができた。勤務先では、熊本地震による直接の影響はなかったが、半年ほど続く余震のなかで、公私ともに実験作業を落ち着つかない状況が続いた。特に、屋外での作業に関して、準備等で時間を要してしまった。平成29年度は、実験を計画的に行い、成果を残したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
反射した電波の強度の強い場所と弱いところの違いと実際の地形との関連性について検証する。 反射波を受信するアンテナに指向性をもたせて、直接波を減衰させ、反射波をより強く受信することで、分離を容易にすることも検討したい。 下側アンテナは、反射が弱い乾燥した場所でも利用できるように、反射波と直接波を受信機内で分離するためのソフトウェア受信機を試作する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ドローンの保険として予算を確保していたが、保険のの加入期間が12月までとなっている。実験が遅れたために本年度の保険の加入を見送ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に改めて、ドローン保険に加入する際に使用する。
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