交通事故などのリスク存在下で人の行動を観測する場面は多い.仮想環境内で人の行動を観測する「実験アプローチ」がこの目的には有効である.しかし既存の仮想環境実験では「リスクが本来もたらす危険感が再現できない」「身体的な現実感の再現力が弱い」という問題があった.本研究はこの問題の解決を目標とした実験手法の開発を行った.4種類の実験を実施した結果,危険性は金銭的で代替すること,すなわち,仮想環境での実際に事故等に関連した金銭的インセンティブを用いることが有効であることがわかった.また,仮想環境内で実際に行動が行える(歩き回るなど)ことが実験結果に影響することもわかった.
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