本研究は閉鎖性海域における貧酸素水塊の対策手法として底質内の電子授受機能の強化,すなわち堆積物微生物燃料電池(SMCFs)に着目した.実験結果から,SMCFsによる発電は全体の95% が微生物の代謝に,5%が底質中の無機物に由来した. SMCFsを90 日間設置して通電と非通電を比較した結果,通電時は酸素消費速度が約24 % 減少した.非通電時と比べ通電時のORPは極めて高い値を示したことから,SMCFsの設置により底質中の嫌気環境が大幅に改善できることが明らかとなった.適切な量のマグネタイトの添加により,浄化範囲の拡大が示唆された.以上より,本研究の目的が達成できたと考えられる.
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