研究課題
挑戦的萌芽研究
コンクリートの電気化学的トモグラフィ取得には,対象の表面電位の測定が必要となる。本研究では,表面電位測定時に印加する電流の周波数決定にはセメント系材料の緩和特性の把握が不可欠であるとし,①測定対象を構成する材料の導電・誘電特性,②構成材料の形状,③測定電極の配置をパラメータとして,インピーダンスの周波数分布に及ぼす影響について実験を行った。その結果,コンクリートの電気化学的なトモグラフィ取得の基礎となる表面電位測定時の最適な測定周波数100Hzを明らかにした。
建築材料
コンクリートの内部は不可視のため,劣化の初期段階での検出が困難である。コンクリート内部の電気化学的なトモグラフィ情報は空洞や鉄筋の分極抵抗などと相関するため,本研究で検討する技術は鉄筋コンクリート構造物の健全性評価や欠陥検出に資すると考えられる。この技術が実現すれば,安価かつ非破壊で構造物の診断を行うことが可能となり,構造物の長寿命化やライフサイクルコストの低減が期待される。