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2016 年度 実施状況報告書

全量副産資源利用ゼロセメント固化体製造・実用化の可能性探索

研究課題

研究課題/領域番号 16K14336
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

濱 幸雄  室蘭工業大学, 工学研究科, 教授 (70238054)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード建築構造・材料 / 土木材料 / 二酸化炭素排出削減 / 廃棄物再資源化
研究実績の概要

本研究では,フライアッシュと同様のポゾラン反応性と有し,高炉スラグ微粉末(BFS)の潜在水硬性を発揮させる刺激材の成分を含有している循環流動層ボイラー(CFB)灰の自硬性に着目し,セメントに代わる結合材としてCFB灰と高炉スラグ微粉末を混合利用するとともに骨材にも再生骨材やスラグ骨材を用いることで,全量副産資源のゼロセメント固化体を作製し,その硬化性状および耐久性に関する基礎資料を蓄積し,建設資材としての製造・実用化の可能性を探索することを目的としている。平成28年度は,CFB灰とBFSを用いた全量副産物ゼロセメント固化体の強度性状及び耐久性について検討した。その結果,以下のことが明らかとなった。
1)CFB灰とBFSを結合材とした全量副産物ゼロセメント固化体の作成が可能であり,その硬化機構はBFSの潜在水硬性に対するCFB灰に含まれる刺激剤の働きによるものである。
2)ゼロセメント固化体の空隙構造はセメント系固化体と比べ10~100nmの細孔量が卓越した構造となっている。ゼロセメント固化体の乾燥収縮率はセメント系固化体に比べて大きく,細骨材種類により収縮量が大きく異なる。
3)ゼロセメント固化体の塩分浸透抑制効果は水結合材比を低くすることで向上し,耐凍害性は低水結合材比化と空気連行で向上する。また,耐硫酸性は優れるものの中性化抵抗性が低い。
4)CFB灰とBFS(比表面積6000cm2/g)の質量比を75:25,水結合材比を40%とし,無水石膏添加率を2.5%,水酸化カルシウムを6%混入することで,本研究での目標値として設定した材齢28日での圧縮強度36N/mm2以上の高強度化を実現した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画したCFB 灰‐BFS混合系の反応機構の解明および全量副産物ゼロセメント固化体の強度特性,耐久性等の基礎性状の把握ができており,おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後は,全量副産資源ゼロセメント固化体製造のための課題を整理するとともに,生産性・施工性・安全性・耐久性向上と高付加価値化を目指す。
特に,ブロック等の二次製品への適用を想定した場合には生産性向上のために早期脱枠が必要であるため,脱枠に必要な強度が早期に得られるよう早強化を目指してC-S-H系硬化促進剤や亜硝酸系促進剤などの適用性,効果を確認する.また,実用的なゼロセメント固化体の製造が困難であると判断される場合には,BFSの反応刺激剤(アルカリ成分)の添加などを検討し,その効果を評価する.さらに,得られた製造条件,基礎性状データを総合的に評価し,二次製品等としての実用化の可能性を探索する.そのために,実機製造設備を用いた二次製品の試作と評価を行なう.
なお,最終的にはCFB灰-BFS系固化体の製造条件,製造技術を整理し,製造コスト,LCCおよびLCCO2の算出を通して,CO2排出量削減,廃棄物削減,副産物有効利用による環境負荷低減効果を定量的に評価する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Compressive strength development and durability of an environmental load-reduction material manufactured using circulating fluidized bed ash and blast-furnace slag2017

    • 著者名/発表者名
      Wenyan Zhang, Hyeonggil Choi, Takahiro Sagawa, Yukio Hama
    • 雑誌名

      Construction and Building Materials

      巻: 146 ページ: 102-113

    • DOI

      10.1016/j.conbuildmat.2017.04.042

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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