研究課題
台風や竜巻などの強風による建物被害は、その多くが風に飛ばされた飛散物の衝突によるものである。台風や竜巻などの強風により生じる飛散物の多くは、砕石、枝、破壊された建物の部材など“流線型でない形状”をもった物体、すなわち“ブラフボディ”であり、飛散性状を予測するためにはそれらの空力特性を知ることが基本となる。本研究では、飛翔中の“ブラフボディ”に加わる空力特性を、並進・回転運動および表面風圧力を測定するセンサーを埋め込んだブラフボディ試験体を空中で実際に飛ばして直接測定するする手法を提案し、その有効性を以下の手順で検証して、“ブラフボディ”に加わる動的な空力特性を明らかにした。①並進運動、回転運動の測定、風圧力の多点測定が可能なセンサー、および、データロガーを組み込んだ自立型の計測システムを作成し、事前の風洞実験等により性能検証を行う。②プローブを内蔵して飛翔するブラフボディ試験体を代表的な形状である“塊状”、“平板状”、“棒状”について作成する。③ブラフボディ試験体をドーム建物の内部で、無風環境下で50mの高さから落下させて飛翔運動を計測して飛翔中のブラフボディの空力特性の直接測定を行い、ブラフボディの動的な空力特性の変化を明らかにする。④同時に、ビデオ画像から3次元飛翔運動を求め、空力特性の精度検証を行って、提案する測定手法の有用性を示す。これにより、作成した自立型の計測システムの有効性を示し、動的な運動下の“ブラフボディ”の空力特性を明らかにした。
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京都大学防災研究所年報
巻: 60 ページ: 523-530
日本風工学会誌
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