研究実績の概要 |
H28年度では、(1)試験系の確立を図るほか、(2)必要に応じて予備試験を行うことを計画している。 (1)試験系の確立については、所定濃度のカビ胞子の作成、カビ胞子混合液の作成方法の検討を行った。具体的な手順を次に示す通りである:①NBRCより分譲された菌株を復元する。②復元されたカビを培養した培地に0.8%Tween溶液を入れ、ピペッティングし、その菌液中のカビ胞子数をヘモサイトメーターを用いて計数した。この作業を所定の菌液濃度になるまで繰り返し行った。また、共存状態でのカビ胞子の培養から、DNAを抽出するまでの一連の作業工程の詳細を検討した。 (2)予備試験については、下記に示す9種類のカビ(いずれもNBRCより分譲)を購入し、予備試験を実施した。混合培養の培地と単体培養の培地それぞれをMVOC測定用試験チャンバーにいれ、それぞれのVOC(MVOC)の測定を行えるように計画した。また、カビ胞子のDNA量を正確に測定できるように、商用ラボを調査し、1ng程度の菌液中カビ胞子のDNA量を測れることを把握した。なお、今年度の検討結果を踏まえて、2017年5月中により詳細の実験を行う予定である。 Cladosporium sphaerospermum(NBRC 6348),Penicillium dhrysogenum(NBRC 9252)、Penicillium expansum(NBRC 5453)、Aspergillus restrictus(NBRC 7101)、Acremonium fusidioides(NBRC 6813)、Wallemia sebi(NBRC 4439)、Chaetomium globosum(NBRC 6347)、Eurotium amstelodami(NBRC 33018)、Rhodotorula mucilaginosa(NBRC 0908) これまでの研究成果をまとめた論文”The Effect of Mycotoxin to other Fungus Growth Characteristics,U Yanagi, Yuriko Shimura, Naoki Kagi ”国際会議Healthy Buildings 2017 Europe(July 2-5, 2017, Lublin, Poland)で発表する予定である。
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