本研究は、A.地方版総合戦略における公共施設マネジメントの位置づけと俯瞰的把握、B.公共施設再編に関わる重要業績評価指標(KPI)の体系的整理と比較分析を踏まえ、C.公共施設を核とした生活圏グランドデザインのアクションリサーチと実地検証を通じて、自立的で持続的な生活の再生・再構築へ向けて実効性のある公共施設マネジメントの計画論と計画手法の萌芽的知見を得ることを目的とし、以下の3段階で研究を遂行した。 (1)地方版総合戦略について、地方自治体ごとの社会的・経済的状況に注目しながら、公共施設再編に関する項目や事項の検討経緯と策定内容に関する俯瞰的な把握を行う。 (2)地方版総合戦略における具体的な施策のKPI(重要業績評価指標)に焦点を当て、公共施設の再編に関わるKPIの内容とその根拠および施策効果の検証方法(PDCAサイクル)について、傾向やパターンあるいは差異を分析する。 (1)(2)を踏まえ、北海道の上士幌町でのアクションリサーチを通じて、公共施設を核とした生活圏グランドデザインを実地に検証し、自立的で持続的な生活の再生・再構築へ向けて実効性のある公共施設マネジメントの計画論と計画手法の萌芽的知見を得る。 平成29年度は、北海道上士幌町の認定こども園「ほろん」について利用実態調査および利用者評価に関わるアンケート調査・インタビュー調査を行い、地方版総合戦略および公共施設マネジメントの計画に照らして、それらの公共施設が具体的どのような成果をもたらしたかについての実践具体的な分析を行った。
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