本研究の目的は、復興土地区画整理事業によって都心部に確固たるインフラ基盤を持つ戦災復興都市における、①高度経済成長期(主に1950-70年)の市街地拡大の実態と②それによる当初線引き(主に1970~1975年)への影響を明らかすること、加えて、③こうした市街地拡大経過(特に土地区画整理等の基盤整備の有無)と今日の市街地の空洞化との関係を実証的に明らかにすることである。①②に関しては、一定規模以上の戦災復興区画整理事業を行った線引き都市を多数同時に比較することで、③に関しては戦災復興事業と今日の中心市街地活性化事業の関係や、豊橋市を対象とした空き家の発生状況から、各々を実証的に明らかにした。
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